三度の飯より飯が好き

大阪で日常的に繰り広げられるハイクオリティなボケとツッコミに怯えながら暮らす女の日記。

下ネタ警察は妥協の産物を見逃さない

 

見ると、無性にイラッとくる顔文字がある。

 

(^_^;)

 

『あ〜今日も疲れたよ〜!』の語尾にこれが付いていたなら、まだ当たり障りがない。汗を深読みする必要もなく、ああ疲れたんだな、と素直に受け取ることができる。

『さっきスナイパーから狙撃されてましたけど大丈夫ですか?』なんていうちょっと特殊な問いに対しての、『いや、ちょっと肩かすった(^_^;)』も有りだ。笑顔で無事をアピールしつつ滲み出る汗が肩の痛さを物語っているし、周りに無用な心配をかけたくない人なんだなという優しい人間性が垣間見れる。
全く問題ない。

問題は、数多の顔文字の中からよりにもよってこれをチョイスしちゃうタイプの人間は、上記のような理由では使ってはこないということだ。

「あっそうなんだ…(^_^;)」だの。

「まあいいや(^_^;)」だの。

マイナスな返事を柔らかく表現するために顔文字を用いるというよりは、どちらかというと顔文字でトドメを刺そうとしているような、直接言うと角が立つから相手に察してもらおう、という小賢しさが滲み出ている。
非常に解せない。誠に遺憾の意。

まあ、もちろん、偏見だという自覚もある。

なんとなく、この顔文字を使う人って、表では曖昧に返事しておいて影でぼろくそ言ってるんじゃないの…?とか。

平和主義を主張しておきながら裏垢では剛力彩芽のことぼろくそ言ってるんじゃないの…?とか。

どうせ裏では率先してアンチに便乗して日頃の鬱憤晴らしてるんでしょ?とか。

windowsユーザーを見つけるとほくそ笑むmac信者なんでしょ?とか。

なんかこう、疑心暗鬼になっている部分もある。
できることならこの顔文字を好きになりたい。

私とこの顔文字の、出会い方が悪すぎたのかもしれない。
別のパターンで想像してみよう。

 

「石油いる?(^_^;)」

 

この出会い方だったら、もう間違いなく、この顔文字に好感を覚えるどころか、人生添い遂げるくらいの気持ちだったに違いない。そうなると「(^_^;)」の受け取り方も変わる。

『石油が余ってるから出来ればもらってほしいけど、突然そんなことを聞くのは不躾かもしれないし…』という気遣いから、突拍子もないことを少しでもフランクに伝える策として、苦し紛れに顔文字をつけた感がある。

「石油いる?」だけだと若干、高圧的というか、持ってるけど欲しいならあげるよ?感が漂ってしまうところを、顔文字一つ語尾につけるだけで「こんなこと突然聞いてほんと意味わからないと思うし、忙しかったらスルーしてもらって構わないんだけど、石油欲しかったりする?」という、かなりソフトに語りかけられてる感がでる。
なんなら下からきてる感じすらある。
石油持ってるのに。


嫌いな何かを好きになる方法として、別角度から見てみることは、とても大事なことなんですね。

これを機にもう一つ打ち明けるとね。


私は巷でも有名な下ネタ警察というやつです


下ネタ警察。
ゲームスタート時、レベル1のまま防具も持たずに村を飛び出し、いきなり魔王に向かってレベル60以上でしか会得できない攻撃魔法を連呼する、そんな無謀な勇者という名のバカを取り締まる警察です。

キャラクター  会話の流れ・場の雰囲気  ユニークさ

これが下ネタにおけるフローチャートなんですが、まず最初の村で『キャラクター』という防具を手に入れ、次に山林で経験値を貯め『会話の流れ・場の雰囲気』を掴み、最後にネタのぶち込み方に『ユニークさ』という武器を装備する。
場合によっては、最初の村の時点でキャラクターという名の防具がメタルキング鎧並みに最強な人がいたり、仮にキャラじゃなくても会話の流れとネタの入れ方が絶妙にマッチしてウケるケースもある。

でもまあ、大体の場合がフロー通り地道にいって、ようやくレベル60以上の呪文を放つことを許されるわけです。

でもね。たまに何がどうしちゃったのか、防具も薬草も持たず裸一貫のまま魔王に挑む勇者がいんのね。

いや…勇者だよ。
あんた勇者だ。紛れもない。
『漢なら裸一貫の獅子であれ』。
ワンピースのフランキーもなんかそんなこと言ってた。

でもお願い。

経験値を貯めてくれ。
頼む。もう少し城の周りを徘徊してくれ。
所構わずぶっこむおかげで、魔王のMPどころか仲間のMPもごりごり削られてる。見て、みんな瀕死だから。
お願いだから、『ぬののふく』のままメラゾーマを唱えてないで、教会へ行ってくれ。

スポーツで例える所の、助走もなしに高跳びしちゃう選手。
バーを目の前にテンション上がっちゃったのか、スマートに背面跳びしてるけど思いっきり背中から落ちてるから。
バー、逃げないから。
助走してる間に逃げたりしないから。
跳ぶことに失敗したなら、いっそそのバーを持って、ポールダンスという手もある。自虐は若干反則行為だが、周りは笑うしかないので最終兵器でもある。

だからまず、助走をしてくれ。
スタートラインはそこだ。


そんな感じで、悲しみの連鎖を生み出す前に、勇者が魔王になってしまう前に、下ネタ警察としてはいち早く逮捕したい。

「ピピーーーーー!下ネタ警察だ!貴様、なんだそのおざなりな前振りは!逮捕だ!

つって、お縄にかけて更正させてあげたい。

未来ある若者だもの。
救うべき命がそこにある。

ちなみに下ネタ警察、50歳以上のいわゆる『おじさん』層は意外と逮捕しない。

そこから先は是非とも下ネタ介護士にお任せしたいと思う。