三度の飯より飯が好き

大阪で日常的に繰り広げられるハイクオリティなボケとツッコミに怯えながら暮らす女の日記。

身の危険

 

私は免許を持ってないから交通ルールはわからないけど

人間歴は28年だし

さらに夫と正反対でマイナス思考だし

神経質で心配性で不安症だから

いかに事前に危険を回避するか

感覚を研ぎ澄ませて生きてきた自信がある

それなりに精神をすり減らした28年を生きた自信がある

 

だからこそ免許がなくても言わせてもらいたい

 

ウィンカーはもっと早くから出してほしい

直前に出して1秒足らずで消さないでほしい

かもしれない運転って教わらないの?

1秒足らずじゃ後ろの車は見逃すかもしれない

偶々見えてなかったかもしれない

 

事故を未然に防ぐことが運転手の義務

事故が起きたらけが人がでるかもしれない

誰かを巻き込んで轢くかもしれない

助手席に人が乗ってたら

その人が怪我するかもしれない

すべてのリスクを考えた運転をするべきだ

(もちろん一方的にぶつけられる防ぎようのないものは別だけども)

 

夫の運転は荒い

しかもそれに自覚がない

私が言うと免許持ってないくせにと言われるけど、絶対におかしい

 

直進レーンにいたのに信号手前になって右折レーンに車線変更してそのまま右折しようとして、それが直前すぎたために、後ろからそのまま私達を追い抜かそうとして走っていたバイクとぶつかりそうになった。

 

夫はなんだこのバイク!と文句を言っていたが、『そのまま直進だと思って追い抜かそうとしたんだと思うよ。私達が曲がろうとしてたことなんてわからないでしょ。あのバイクからしたら君の方がわざと運転妨害してきたと思ってるよきっと。』と言うと、そっか…と言ってたけど、本当に理解してほしい。

君があのバイクの考えてることがわからなかったように、バイクも君の考えてることがわからない。

だからこそ早めのウィンカーがいるんだよ。

 

自転車が近付いてきたり

歩行者が目の前を通ろうとしてるとき

夫はそのまま車を近付けていくので

気付いてないのかと思って

危ないよ!いるよ!と言うと

『わかってるよ!』って言うの

いや、あっちはわからないよ

違う方向見ながらわかってるって言われても

きちんとアイコンタクトしてどうぞってしてあげるか止まるかしないと

轢かれるって思うよ

あなたがわかってるかどうかじゃなく

相手に伝わってるかどうかが大事なの

危険回避は自分だけじゃ無理なんだから

なんでそれがわからないんだ?

 

この人、根回しとかも下手なんだろうな

混乱が生じないよう事前に周囲に経緯を説明しておくとかも、したことはなさそうだ

まぁ、そういう小賢しい真似をしないところは普通に生きてる分にはとても魅力的だし好きなんだけど、人の生死や他人に迷惑がかかることに関しては別。

どうにかして考え改めてくれないかな。

運転は、他人ファースト。

他人ファーストは、結果的に自分の身の安全を確保することに繋がる。

それに気付いてほしい。

 

ダイエットは明日から

 

太った。

もう自分を誤摩化すことはやめる。
間違いなく太った。

普段は、「太ったな」と自覚してもいやもしかしたら他人から見たらそれほどでもないんじゃ?まだセーフなんじゃ?ワンチャンあるんじゃ?という、救いのある感じだったので、それほどショックを受けることもなかった。

でも今回は違う。

私が何を食べても何を着ても「よく食べるね」「似合うよ」「可愛いね」しか言わない夫が。

これも食べたいけどこれも気になるな〜二つ食べたら太るしな〜〜と言っても「好きなもの食べな」、最近太ったやばいな〜〜と言っても「どこが?全然変わらないよ」としか言わない、あの夫が。

「最近太ったよね」と言ったのだ。

結婚して以来、いや交際期間ですら一度も言われたことのない言葉。
しかも奴は「特に太もものあたり」と付け加えた。まさか超ばっちりキメようが寝間着だろうがジャージだろうが一貫して「いいね」しか言わない夫が、あろうことか細かく部位を指定してきたのである。これはウルトラスーパー鈍感な夫ですら一目見ただけでわかるレベルということだ。事は急を要する。

だが奴にも罪はある。
「太ったよね」という衝撃の告白をされる直前、スーパーで買い物中、桜餅とみたらし団子を見つめる私に彼は「いいよいいよ買いな」と言い放ったのだ。共犯だろそんなの。この身体の開発に紛れもなくお前も関わっているじゃないか。

しかも顔文字で例えると(^_^;)じゃなく(*^_^*)だ。
あいつ、嬉々として勧めて来やがる。

気の毒にもそんな夫の甘い言葉に乗せられ、ただただ食べ物を胃の中へ収納していく何も知らない豚。ここは養豚場だったのだ。気付いた時には出荷目前である。

 

ーーーもう嫌。私、なにも食べない。

私が悪いんじゃない。ごはんが美味しいことがそもそもの罪なのよ。
夫は落胆する私に追い打ちをかける。

「炭水化物を抜けば、すぐだよ」

え?なに?炭水化物ってあの…米…とか?
うそでしょ意味分かんない…
白米なしでどうやって豚の生姜焼き食べるの?
残された味噌汁の意思は?
たくあんは何の為に生まれてきたの?

以前何かの記事で知ったが、日本人は白米を食べないとイライラするらしい。ただでさえ穏やかな日本人の中でも群を抜いてキレやすい私が、白米を抜くなんて、飢えたライオンにおからを与え続けるようなものだ。

くそ。この社会どうかしてるぜ。
ダイエットしている人間を冷やかすわりにデブは糾弾される。CMでも言ってただろうがいっぱい食べる君が好きってよお。知ってんだぞおめーあれはいっぱい食べるわりに痩せてる女が好きって意味なんだろうが肝心な欲求浸た隠しにして綺麗ごと抜かしてんじゃねえぞ殺す。


もう……どうしたらいいの……?
ななこ…意味…分かんないよ……

 

いやでも待って。

「太ってても顔が可愛いからまだ大丈夫でしょ???」

愛する可愛い妻なら大丈夫でしょ?そうでしょ?
私は夫が酒もタバコも好きなだけ嗜み好きな物を食べてぶくぶく肥えて80キロ近いビビる大木になっても変わらず愛してきたというのにお前はまさか食べることだけを生き甲斐としている妻がたかが3キロ太った程度で愛想を尽かすというのか????

夫は真顔で私の顔を真っ直ぐ見て、
「可愛さを超えるのはすぐだよ」と言った。

殺す。

 

ピュアな11歳の無垢で残酷な遊び

 

懺悔したいことがある。

 

小学5年生の頃。
クラスメイトの男の子を飼っていた。

ペットとして。

 

子供は時にわけのわからない遊びを生み出すものである。

当時、私のクラスでは所謂『パートナーシップ制度』のような、女の子達がそれぞれ一人の男の子を犬として飼う、という変態じみた遊びが流行っていた。

きっかけはクラスの女子みずきちゃんが、何でも手伝ってくれる優しい木下君を「可愛い可愛い」と言って可愛がり始め、気を良くした木下君がその内みずきちゃんに撫でられるたびに「ワン」と鳴き始めたのが始まりだ。

いや、一見違和感なく始まったように見えるが、明らかに木下君の性癖が引き金になっている。幼さとは時に残酷だ。

そんな木下君の特殊な性癖に、幼い私達は違和感を抱くことなく、「ペットみたいだね!」と楽しくなり、いつの間にかみずきちゃんは木下君を「シロ」と呼び始めた。

みずきちゃんが「シロ」と呼ぶと、四つん這いになった木下君がすぐさま駆けつけ、「ワン!」と鳴く。

完全に常軌を逸している光景だが、当時はほのぼのとしたワンシーンでしかなく、と同時に、完全に犬と飼い主の主従関係が成立した瞬間であった。

 

みずきちゃんと木下君の主従関係は瞬く間にクラス中に広まった。

小学生なんてのは席替えで隣の席になっただけでその子を好きになる生き物だ。
そんな年頃の女の子が、自分に従順に尽くしてくれるただ一人の男の子という存在をうらやましがらないわけがないし、男の子は男の子で四つん這いになり「ワン」と鳴くだけで女の子に可愛い可愛いと撫でてもらえるのだ。
本来ならプライドが邪魔をするが所詮は小学生、目先の欲望のためならプライドもクソもない。

ようするに男女共に利害が一致していたので、この遊びは爆発的に流行った。

 

私自身も当時、水野君という男の子をペットにしていたが、別にペットにしているから付き合っているとか好き同士というわけでもないから複雑だ。

水野君は”ゆきこちゃん”という、沢口靖子似の女の子に片想いしていたし、私は私で違うクラスに両想いの男の子がいた。
ようするに私達は、表では互いに想いを寄せる相手が別にいながら、裏では犬と飼い主という爛れた関係だったのである。
11歳の男女達の相関図は汚れ切っていた。

そんな水野君は、6年生に上がる前に転校が決まった。

小学生にとっての転校は今生の別れのようなものだ。
着実に近付く別れの日を前に、寂しさと切なさから私は水野君を避けるようになった。

複雑な気持ちに揺れる二人。
間違いなくあの瞬間あの教室はラブワゴンだったのだ。

 

水野君は、最後に

「離れても、僕はななちゃんだけの犬だよ」

という言葉を残し、他学区へ転校してしまった。

タイタニックより感動するラストだ。
その後の私はクラスメイトからまるで未亡人のような扱いを受け、「傷付いてるから励ましてあげよ…?」という優しさに気遣われながら5年生を過ごすのだが、6年生になる頃にはその黒歴史とも言えるペット遊びは、初めからなかったかのように皆の記憶から消えていった。

頭がぶっとんでいたとしか思えない。

水野君は、新しい土地で変態扱いされなかっただろうか。

あの爛れた関係をきれいさっぱりと忘れ、まともな性癖に軌道修正できたのだろうか。
大人になった今も、それだけが気がかりだ。

 

ちなみに私はそれ以降、好きなタイプが犬みたいに尽くしてくれる人になってしまったので、性癖は簡単には軌道修正できない。

 

私とRくんと、時々、ゴリラ

 

寒くない?
超寒い。
いつも思うんだけど、秋あった?
これ毎年思う。もう冬じゃん。
読書の秋だの食欲の秋だの芸術の秋だの
言ってるわりにあいつ毎年印象薄いよね。
季節が焼き芋の屋台くらい止まる気がない。

寒い。さみぃよ。耐えらんねぇ。
既に裏起毛もニットも着ちゃった。
この冬を乗り越えられる自信がない。

そのくらい寒い。
そのくらい寒いのに。

 

でた。

 

ついに我が家にもあいつがでた。

 

鼻歌を歌いながら振り返った瞬間、
無慈悲にも壁に張り付いてた。

 

G。

 

いやいやいや待って。

アポなし?
社会人としてどう?それ。

もう、非常識すぎて「ふええ…」って声出た。
昨今のエロ漫画ですらそんなベタな喘ぎ方しないのにショックだ。
人間は驚きすぎるとエロ漫画化する。

しかも、悲運にも出会いは密室。
狭い洗面所だった。
出口はあいつの向こう側。
脱出するには、奴と超至近距離ですれ違わなければならない。

あいつとすれ違うくらいなら
蛭子能収に壁ドンされた方がましだ。
だがこのまま密室に二人きりでいたら
あいつに壁ドンされてしまうかもしれない。

それだけは避けたい事態。
殺るか、殺られるかの瀬戸際。
放映禁止レベルの必死の形相で、私は洗面所を出た。

もうね、その後は、カメラ回ってる?てくらい、見せ場見せ場の連続。

スライディングでGジェットを取り、走ってソファの裏へ転がり隠れ、噴射!
スピード感がすごいのなんのって。
ハリウッドからオファーきちゃう。
BGM:ミッションインポッシブル。
トムクルーズ、私の背中を見な。

まあ、ビビり過ぎて近付けなかったので全然Gに届いてないんだけど。
沖縄から北海道に向かって噴射するくらいの距離だったんだけどね。

しかもこんな日に限って、夫は飲み会。
麒麟の川島なら許せるけどビビる大木だから許せない。
こちとらジャングルで言葉の通じねえマサイ族とタイマン張ってんだよ!

そんなわけで、切羽詰まり過ぎて、飲み会中のビビる大木に電話して「誰か"、誰か"呼んでよ"お"!!」なんていう謎のダイイングメッセージを残したんですが。

なんと夫、さすが夫。

仕事終わりの友人Rくんにヘルプを求めてくれたのだ。
安堵と申し訳なさで言葉がない。
Gを退治するために友達の家に来てくれる人、世界にいる?

数十分後、自宅へ駆けつけてくれたRくんは、私が死闘の末になんとか倒した奴の死骸を見て、「お!がんばったじゃん!」といつもの爽やかな笑顔で褒めてくれた。
これだよ。これこれ。
これがイケメン。
まさかこの世で一番汚い生き物を見た後で、こんな綺麗な顔を拝めるなんて、世界とはよく出来ているものだ。
そんなイケメンをG退治のために無駄遣いしてしまった罪悪感。
しかもスーツのまま駆けつけてくれたので、なんかあれ、そういう業者の方?みたいになってる。

こんなに優しいのに、3回振られてるRくん。
こんなにイケメンなのに、3回振られてるRくん。
失恋が続き過ぎてついに縁切り寺に行ったRくん。

私はね、ユニセフにお願いしたい。
カンボジアよりも先にこの人を救ってくれませんか?って。
救える命がここにある。

世の中の女性にも言いたい。
ここに、こんなイケメン転がってますよ?って。
拾い放題だよー!っつって。秋だし。
Rくん狩り、今が旬だよ?って教えたい。

まあ、神様に焦らされに焦らされた分、
Rくんにはそのうち、Perfumeのあーちゃんみたいな彼女ができるんだと思う。
いやゴリラやないかい。

Gを処理して、犬の散歩まで付き合ってくれたRくんは、
「またあとで!」って笑顔で走り去って行った。

うそぉ……爽やか……
柔軟剤入ってるのかな?

かくしてGとの格闘で疲弊し切った心は、
Rくんのおかげで救われたのである。
ありがとうRくん。

そんな心優しいRくんに、いつしかLiLiCoのような彼女ができるようにと願わずにいられない。

いやゴリラやないかい。

 

麒麟の川島を性的な目で見てしまう

 

自分のおっぱいに対し異常なほどに嫌悪感がある。

そもそも乳首。
奴が憎い。

服に擦れたり自分の腕に触れるだけでもとてつもない不快感に襲われてしばらくイライラが止まらない。
その瞬間の怒りだけでスーパーサイヤ人になれるし、その後しばらくはおっぱいと距離を置きたくなる。
しばらくLINEとか控えよ…みたいな。
お互い冷静になってから会おっかみたいな。

毎晩、寝る時の体勢は、毛布を胸周辺に巻き付けて、さらに上から両腕でガードする徹底振り。
ピラミッドの奥底で見つかっても何ら不思議ではない寝姿だ。

なんていうか、これはとても妙なことだが、自分が女の身体であることが、ものすごく汚らわしいと思うことが定期的にある。
なんてことはない、ソファでくつろいでいたり、街を歩いているごく普通の瞬間にだ。
女でいることは楽しいしメイクもオシャレも好きだが、女性の身体でいることが急に不安で不快になるのだ。

できることならおっぱいは取り外してロッカーに預けたい。
使いたい人が使いたい時にレンタルできれば世界は平和だ。
この法案を国会で提示したら瞬時に可決されるに違いない。

髪を伸ばしてひらひらの水着を着たりミニスカートを穿いて真っ赤なリップでインスタ映えな日々を過ごしてみたいが、身体が受け付けない。

夫に「ななこ、スカート似合わないよね」と言われて以来、スカートは原住民族が祝いの儀式の際に頭に被るものだと思うことにしているが、確かにパーカーにデニムでラーメンを食べているのが一番似合うと自覚している。
けれど内心で、なんかそういう女性に対する無意識な劣等感というか「どうせ私は」といった妬みが、どんどん女というものから離れようとする心理だということも、自覚しているのだ。

ただ、こんな私が。
どんなイケメンと一緒にいてもそんな気分になれないこの私が、世界で唯一。

 

麒麟の川島を異様にエロい目で見てしまう。

 

かっこいいと思う男性芸能人は大勢いる。
かっこいいとは思わないが好きな男性芸能人も大勢いる。

でも性的な目で見るのは麒麟の川島だけだ。

別にかっこいいとも思わないしかっこよくないとも思わない、絶妙なラインにいる麒麟の川島。
気付いた時には目で追っていた。
めちゃくちゃ好きだ。性的に。
こんなにも自分と付き合っている妄想を抵抗なくできる芸能人も珍しい。

隙あらば、飲み会で隣に座ってこっそり机の下で手を繋ぐ妄想ばかりしてる。
社交性のある川島はあの笑顔と普段より少し高いトーンで目上の方々と会話を弾ませているが、隣で段々口数が少なくなってきた私に不意に「眠い?」なんて低い声で聞いて来る。
っていう妄想までしてる。
あいつ……絶対聞いてくる。
彼はそういう男だ。知らんけど。

そんな妄想が、もしかして前世付き合ってた?ってくらいスムーズに脳内再生される

ノイズ、ゼロ。
ビジョンが超鮮明。
高解像度にも程がある。

私と川島の脳内エピソードをスクリーンに映して上映したらもう『カメラを止めるな』どころじゃない。
興行収入が毎秒6億くらいいく。

なぜこんなにも川島が好きなのか。
彼は、太る前の夫と瓜二つなのである。
今やゴルフ焼けして色黒になり80キロ近くなったビビる大木にしか見えない夫が、まだ色白で60キロ台だった頃が、他でもない川島明なのだ。
川島が太ったところでなぜビビる大木になるのか、その化学式が謎だが、とにかくビビる大木は痩せると川島になる。

自分と付き合っていない頃の恋人の写真を見て、「この頃に付き合っていたら面白かったな」と思うことは、一度はあると思う。
夫が麒麟の川島だった頃は、まったく眼中にないどころかただの麒麟の川島という認識でしかなかった。
だがその面影がなくなった今、麒麟の川島を見ると、いないはずの昔の彼がそこにいる感覚に陥るのである。
世間一般的に過去の恋人と出会えるはずはないのだが、それができてしまうから、心はいつまでも恋愛期間のままだ。
川島といちゃいちゃする妄想が止まらない。
カメラを止めるなっつーか私を止めてほしい。

川島の幸せそうなインスタグラムを見ていると、2年付き合ったけど結局別れて別の女性と結婚した幸せな元カレのSNSを覗いている気分を味わえる。
そうなるとまるで私が麒麟の川島を求めて夫と結婚した未練たらしい女だ。
こんな出来たストーリーは中々ない。
かなり貴重である。

夜、川島のインスタグラムを見た後で、目を瞑りながら夫に抱きつくと、川島に抱きついているような感覚を味わえる。
なんなら臨場感出すために「明…」って呟く。
まるで『元カレへの未練を今カレで補おうとしている未練たらしい女』だが、目を開けるとそこには白目を剥きながら歯を磨いているビビる大木がいるのだ。
人生はそんなに甘いものじゃないなと思う。

夫があと15キロ痩せたら、川島に対するむらむらが夫に向かうので、夫婦円満の形に落ち着くのだが、いつになることか。

夫が痩せるその日まで、私と川島と夫の三角関係は続く……

 

ガパオライスは飲み物

 

洗濯して掃除して犬の世話をして
そんな戦国時代みたいな暮らしをしてる
犬飼ななこです。

戦国時代ですらもうちょっとこう、ひと騒動あっただろ…と思う。
それくらい、何もない。

私だって合戦したいよ。
戦地の空気を味わいたい。
80対80の街コンとか経験してみたい。
複数の男性に、取り合いされてみたい。

直近で取り合いされたのなんて、貧血で運ばれた先の大学病院で、血管が見えにくく注射が難しい私の腕を、勉強熱心な研修医達がこぞって俺にやらせて俺にやらせてと取り合ったのが最後だ。
4人失敗した末に結局先生に交代して無事採血されたので、どうやら取り合いされる側にもそれなりの傷を負う覚悟が必要らしい。

でもまあ、街コンに来る人間ってみんな負傷兵みたいなもんだし。
流れ弾を避けながら希望を求めて足掻き突き進む他ないの。

合コン参加率200%の友人らいわく。

合コンとは、彼氏彼女を見つける場所ではなく、
『己のトークスキルのレベルを上げる場所』
なのだそうだ。

彼女達は合コンが終わるたび、ストイックに反省会を行い、冷静に自己分析している。
「私、言い回しのレパートリーが少ない…」と嘆いているが一体彼女は何と戦っているのだろうか。
ストイックにも程がある。

しかし当日に全力を出し切るため、
後日どっと疲れが出て、結局誰とも連絡しないのだ。
立つ鳥跡を濁さないどころか、大地を火炎放射器で一斉掃除している。

かくいう私も、語彙力を取り戻したくてブログを始めたので、彼女達と動機は似ている。

しかし平日があまりにも孤独すぎる。

孤独すぎて、逆にハイ。

一人で歌って踊りながら洗濯物取り込むし、
ワイドショー見ながら「情勢どう思う?」つって犬に振る。

鏡を見て、ちょっと自分ふっくらしたかなと思ったらすかさず「この家、狭くなったな…」と呟けるくらいには、ポジティブになった。

私が太ったんじゃない。
世界が小さくなったの。

部屋が汚いんじゃない。
世界が美しすぎるの。

そう思うと心にゆとりができて、HAPPYになれる。
競争の中で足掻く必要のない気楽さ。
最近はそのおかげで心穏やかです。

ハンモックも買ったし、欲するものも特にない。
あえて挙げるとしたらまあ、金と権力と名声と土地くらいかなって。
あとは、もう少し欲を言えば、新垣結衣になりたい。
新垣結衣になって、世界中を虜にし、ありとあらゆる贅沢をしたい。
他人の金で美味い飯を食いたい。
週8で叙々苑に行きたい。

 

欲まみれじゃねーか。

 

ただの私欲にまみれた豚だった。
まみれすぎてもはや清々しさすら感じる。

戦国時代を生きる妙にポジティブな煩悩だらけの豚。
いいところがまるでない。
やっぱりぺらぺら喋り過ぎるのは良くない。
言わなくていいことまで書いてしまう。
これがブログの怖いところだ。

たまには日記らしいことを書こう。

今日は友人の家でカレーをご馳走になった。
正直、めちゃめちゃに美味しかった。
人様の作ったカレーを食べる、という行為自体がもう、何世紀前の話か。
カレー、という点が特に良い。

なんだか、遠く離れた(新幹線で40分)両親のことを思い出した。

お父さん…お母さん…
私は新しい土地で元気に…

戦国時代を生きる妙にポジティブな煩悩だらけの豚と成り果てています。

 

縄文時代の文明のまま鎖国している夫の話

 

夫に届く夫婦宛てのメッセージの9割が、夫で止まる。

始発、夫。
終点、夫。

上飯田線ばりの短さ。

常にLINEの会話を報告してくれる必要など全くない。
問題は、御礼や御返しが必要な物事に関してである。

夫止まりということは夫がその話題を忘れた瞬間が世界の終焉。
私にバトンが回ってくることもなく体育祭は終了する。
私がクラウチングスタートで準備している最中、
夫はクラスメイトと打ち上げをしているのだ。

同級生ならまだいい。
だがもはや現状は、『連絡票もプリントも見せない息子のおかげで、授業参観も提出物もフルシカトかます印象の悪い母ちゃん』という、親子の攻防に等しい。

「あんた、先月保護者会あったんじゃないの!」

そんな喧嘩が3ヶ月に一度の恒例行事と化している。 

私達は親子ではなく夫婦だ。
かーちゃんは許してくれたかもしれないが、
それが嫁にも通用するなどと甘いことを考えないでほしいものだ。


まあ、そんな上記の理由もあり、我が家は3ヶ月に一回、本人の了承を得てメッセージチェックを行うのである。
その際、必ず二、三通は既読スルーをかましている重要なメッセージがあり、夫を問い詰めると「読んだまま忘れてた…」とのたまうので怒るのもめんどくさい。あーもう死ぬ程めんどくさい。明日地球の中身がカスタードクリームとかになってねーかな。雲はわたあめ。あ〜〜〜。

 

こんなの、メロスも激怒する。

セリヌンティウスだってきっと私のこと励ましてくれるし、
なんならセリーヌディオンも横で歌ってくれる。

 

別にね。
誕生日にサプライズしてほしいとかね。
一度くらいはデートのプランを考えて欲しいとか、そんなこと言ってないのね。

ディナーは夜景の見えるレストランじゃなきゃ嫌とか、5万のアウター欲しいとかね。
そんな要求一切してないわけですよ。

吉野家超うめーしユニクロ万歳ですよ。
GUのニットは超あったかいんですよ。

酔って公園で寝て連絡途絶えた挙句に逆ギレされても、目頭をおさえながらフーーーー…と息を吐いて怒りを鎮めながら会話するとか、一体どこのアスリートよ私は。

スポーツだ。
はや夫との話し合いはスポーツ。
できることなら地区大会とか出場したい。
諸先輩方に蹴散らされて自分の小ささと世界の広さを知りたい。

 

報連相をしっかりして」って夫に言うのも、もうやめたい。
「ゴミはゴミ箱に捨ててね」なんてのもうんざりだ。

縄文時代ですら食べた貝の殻は貝塚に捨ててたのに』

夫と縄文時代の文明を比べるレベルまできた。
事は重大だ。

夫は決して頭は悪くない。
文明が止まっているのだ。
人の意見を聞き入れる部分が鎖国してる。

ペリーが来航しなきゃ開国しない。

私ならなれる。
彼のペリーに。

そんな甘いことを考えていた交際時代もあったが、半年で己の無力さに気付く。
今や彼のペリーどころかビリーだ。
スパルタが全てだと悟ったのだ。

それでも、ここ数年で一筋の希望の光が見えた。

ワンピースがワノ国編へ突入したのである。

長年鎖国していたワノ国が開国すれば事態は大騒ぎ。
きっと夫も「俺も開国しなきゃ!」と思ってくれるに違いない。

まあもし本当にそんな理由で開国したら、夫が寝ている間にワンピース全90巻を身体に乗せ、耳元で「私の数年の努力…」と囁きながら呪いたい。

夫とワンピースの今後の展開にご期待下さい!